ご飯? さっき食べたでしょ。
私は自慢じゃないが物忘れは非常に得意。
さぁ、昨日食べたものを思い出せるか?
……無理です。
じゃぁ、さっき食べたばかりの夕食は?
あれ?
夕食? 食べたっけ?
ばぁさんや、飯はまだかいのう?
何を食べたかではなく、食べたこと自体を忘れていたら、かなりの重症らしい……。
しかし、私は食事をしたかどうかをすぐに忘れる……。
ええっ!?
まだそこまでの歳じゃぁないはず!
はず!!
友人一同から非常に頭を心配されました……。
ちなみにこれは二十代の時のお話。
しかし。
同居人こと女親のFはもっとひどい。
F:あ、ねぇねぇ、K。……じゃなかった、N! あれ? じゃなくて、R……でもなくてS……いや、H、でもなくて、ええと……M……でもないし……
甥っ子姪っ子の名前ほぼ全部呼んでようやく最後に出てくる。
F:そうそう、Y!!
……自分の子供1人の名前くらい覚えてくれ。
もっともFは70代なので物忘れに関しては歳相応なのかもしれないが、その同年代の交友関係にも、もちろんこの手の話はたくさんあり、それぞれが心配している。
お仲間のお1人が物忘れが心配になって医者へ行ったそうな。
○×さん:あの、これって若年性痴呆症(アルツハイマー)でしょうか? 心配で……。
医師:……あの、失礼ですが……若年性というのは30代や40代で発祥するタイプのものを言うのですが。
○×さん:………………。
……歳相応ということでよろしいかと存じますですよ。
さて、実は私も体調不良で通院中。
経過がぱっとしないので、先生は別の問診をしてみることに。
医師:じゃ、念のために鬱傾向の問診もしてみようか。
と、問診表を探し出す先生。
いろいろな症状や病気別の問診表が引き出しに入っている。
医師:あ、あった、あった。これこれ。
しかし。私は見た!!
先生が引っ張り出した問診表の種別は……
老人性○呆症
医師:あれ? これじゃなくて……
念のため言っておくが、この時の私はまだ二十代。
……先生、私は一体何歳に見えておいでで?
→ネタのタネ
さぁ、昨日食べたものを思い出せるか?
……無理です。
じゃぁ、さっき食べたばかりの夕食は?
あれ?
夕食? 食べたっけ?
ばぁさんや、飯はまだかいのう?
何を食べたかではなく、食べたこと自体を忘れていたら、かなりの重症らしい……。
しかし、私は食事をしたかどうかをすぐに忘れる……。
ええっ!?
まだそこまでの歳じゃぁないはず!
はず!!
友人一同から非常に頭を心配されました……。
ちなみにこれは二十代の時のお話。
しかし。
同居人こと女親のFはもっとひどい。
F:あ、ねぇねぇ、K。……じゃなかった、N! あれ? じゃなくて、R……でもなくてS……いや、H、でもなくて、ええと……M……でもないし……
甥っ子姪っ子の名前ほぼ全部呼んでようやく最後に出てくる。
F:そうそう、Y!!
……自分の子供1人の名前くらい覚えてくれ。
もっともFは70代なので物忘れに関しては歳相応なのかもしれないが、その同年代の交友関係にも、もちろんこの手の話はたくさんあり、それぞれが心配している。
お仲間のお1人が物忘れが心配になって医者へ行ったそうな。
○×さん:あの、これって若年性痴呆症(アルツハイマー)でしょうか? 心配で……。
医師:……あの、失礼ですが……若年性というのは30代や40代で発祥するタイプのものを言うのですが。
○×さん:………………。
……歳相応ということでよろしいかと存じますですよ。
さて、実は私も体調不良で通院中。
経過がぱっとしないので、先生は別の問診をしてみることに。
医師:じゃ、念のために鬱傾向の問診もしてみようか。
と、問診表を探し出す先生。
いろいろな症状や病気別の問診表が引き出しに入っている。
医師:あ、あった、あった。これこれ。
しかし。私は見た!!
先生が引っ張り出した問診表の種別は……
老人性○呆症
医師:あれ? これじゃなくて……
念のため言っておくが、この時の私はまだ二十代。
……先生、私は一体何歳に見えておいでで?
→ネタのタネ
めーど……
自作小説を書いているのだが、その中に背の低いメガネ青年が出てくる。
詳細設定は考えていないが、まぁだいたい160cm前後くらいが妥当だろうか?
なんてことを考えながら、ある日、何気なくTVをつけた。
この子だぁっ!!
まさしく、イメージどおりの容姿の人物がTVに。
背が低くって童顔で(※多分成人してると思うが……)、番組の役柄上メガネをかけている。
かくして、勝手にその人物をモデル候補にすることにした(をぃ)。
……のが、だいぶ前。
そして先日。
やはり何気なくTVをつけた。
適当にチャンネルを回していると、黒髪の女の子の後姿が映っていた。
しかし。
次の瞬間。
画面の彼女が超ドアップで振り向いた。
お帰りなさいませ、ご主人様♪(※ここでめいっぱいウィンク)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
お、男ーー!?
しかも、め、めいど……。
きしょっ!?
なんだ、この怪しい番組は!?
これは正体を確かめねばなるまい。
しばらくそのまま番組を見続け……気付いた。
あ、あのー、このメイド……ってか、このきしょいの……
……あの童顔のお兄ちゃんですか?(失礼な)
えー
そっかー、こういう役もやるのかー。
俳優だもんな、仕方ないよな。
ん?
あれ? 俳優だっけ??
歌手だったような気がするが……
てか、
ギャグ担当は相方のほうだと思ってたのに!?(マテ)
はっきり言おう。
この人物の場合、女装なんかしないほうが……
よっぽどかわいいよ?(こらこらこら)
いや、ホントに。
とりあえず、この番組のおかげで、
そっかー、可愛い子って女装すると似合わないのかー。
ということを知りました。はい。
……どうせ女装するならネコ娘をオススメします(マテ)。
相方は鬼太郎だし(ぇ?)
詳細設定は考えていないが、まぁだいたい160cm前後くらいが妥当だろうか?
なんてことを考えながら、ある日、何気なくTVをつけた。
この子だぁっ!!
まさしく、イメージどおりの容姿の人物がTVに。
背が低くって童顔で(※多分成人してると思うが……)、番組の役柄上メガネをかけている。
かくして、勝手にその人物をモデル候補にすることにした(をぃ)。
……のが、だいぶ前。
そして先日。
やはり何気なくTVをつけた。
適当にチャンネルを回していると、黒髪の女の子の後姿が映っていた。
しかし。
次の瞬間。
画面の彼女が超ドアップで振り向いた。
お帰りなさいませ、ご主人様♪(※ここでめいっぱいウィンク)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
お、男ーー!?
しかも、め、めいど……。
きしょっ!?
なんだ、この怪しい番組は!?
これは正体を確かめねばなるまい。
しばらくそのまま番組を見続け……気付いた。
あ、あのー、このメイド……ってか、このきしょいの……
……あの童顔のお兄ちゃんですか?(失礼な)
えー
そっかー、こういう役もやるのかー。
俳優だもんな、仕方ないよな。
ん?
あれ? 俳優だっけ??
歌手だったような気がするが……
てか、
ギャグ担当は相方のほうだと思ってたのに!?(マテ)
はっきり言おう。
この人物の場合、女装なんかしないほうが……
よっぽどかわいいよ?(こらこらこら)
いや、ホントに。
とりあえず、この番組のおかげで、
そっかー、可愛い子って女装すると似合わないのかー。
ということを知りました。はい。
……どうせ女装するならネコ娘をオススメします(マテ)。
相方は鬼太郎だし(ぇ?)
大好きな本は
大好きな本は……
自分で作ってみよう!
……本の紹介じゃないではないか(汗)。
と思った方ゴメンナサイ。
本は好きです。
幼少時の愛読書は……
1.昆虫図鑑。
もちろん虫の観察も好き、青虫はオトモダチ。素手でかわいがれるゼ。
2.鳥類図鑑。
都市部の庭でも二十種くらい。渡り鳥も来ることを発見。
3.植物図鑑。
雑草なら任せろ! 食べられる草も任せろ! もちろん毒草も任せ……(マテ)。
え?
それは読書とは言わない?
では、高校時の愛読書を……。
百科事典全巻読破。
…………。
文学作品? 哲学書? 何ですかそれは。
なんて、こんなことをやっていてもなぜか小説家を目指すようになってしまったわけで……。
もちろん素人では本は出せない。
と、思ったら大間違い。
小部数印刷なんてこともできるし、根性があれば自分で作ることも出来る。
そっち方面に抵抗がなければ同人誌なんてものもある。
最高なのは小説大賞に応募して受賞すればそのまま即デビュー&出版。
しかし、だ。
まずその前に。
作品がなければいけない。
さて、どうするか。
興味がない人に言わせれば、小説家なんて紙とペンだけあればいい楽な稼業だ、と放言される始末。
ほう、そうか、そうきたか。
言ってくれるではないか。
ならば。
小説が出来るまでをお教えしましょうか。
今回は私の得意なファンタジーで。
まず、書きたい話を決める。
ストーリー自体は好きな展開でいいとして起承転結を考える。
問題は。
ファンタジーの矛盾する魅力、つまり架空の雰囲気、そして逆にリアリティー。
このバランスだ。
いくらストーリーやキャラクターが優れていても、背景が考えていなければ薄っぺらな文章になる。
その世界、文化、歴史、言語、生活習慣、服装や食事。
これらがお互いに複雑に絡み合い、更に矛盾を感じさせないようにして一つの世界をまず構築しなければならない。
しかも、世界は一つでも、その中には多くの国や地域が存在する。
話の舞台が狭ければいいが、大体の場合複数の国や地域が出てくる。
いくらファンタジーだからといってこれらを全て空想のいわゆるファンタジックな世界にしてしまうと途端にリアリティーがなくなり、悪い意味でのファンタジー、荒唐無稽な架空の御伽噺になってしまう。
それを回避するには、実際の(つまりこの地球の)歴史をお手本に、より現実味を感じられる設定にしなければならない。
これを失敗すると、途端に雰囲気が崩れる。
たとえば……映画『ロードオブザリング』
非常に優れた映画であることは間違いない。
だが、一点、やってしまった場所がある。
執政が食事にするシーンだ。
舞台は中世ヨーロッパ風。
建物も服装も、小道具も非常によく出来ている。
中世の食事は手づかみもしくはナイフ一本。
この執政も主に手を使って食べている。
しかし。
食べている中身が問題があった。
ぷちトマト。
色彩の薄い、雑穀の粥のような乱雑に盛られたおかずの中に、ぷちトマトが非常に目立つ。
やっちまったな……。
たとえ中世ヨーロッパ的ファンタジーだとしても、これがイタリア風やスペイン風などならまだわかる。
中世にはトマトはなかったが、我々が抱くイメージとしてイタリアなどの食事にはトマトが欠かせないからだ。
しかし、この城は、山の上で海も遠い。
何が問題か?
実は、中世には、上にもさらっと書いたが(ミニ)トマトはなかったのだ。
これ、実は南米が原産で、大航海時代を経てヨーロッパにもたらされたものだ。
中世時代の食事はライ麦のパンや豆、肉がほとんどで、色彩にも乏しい。
(余談だが、韓国のキムチがやはり南米原産の唐辛子に染まったのもこの時代以降)
もし舞台が海沿いの国などであればまだ異国から入って来たものとも考えられるが、残念ながらあの舞台は主に山岳か平原。
典型的な中世ドイツ〜中欧方面である。
ここに鮮やかなトマトが彩りを放っていたら……?
といってもわかりにくいだろうか。
わかりやすく言うなら、例えば山の上に古い修道院があるとする。
修道士が食事にしている。
例1.ろうそくが数本のみの暗い食堂で、固くて丸いパンにバター、雑穀のスープ(木の皿)
例2.シャンデリアの明るい部屋で、ピザトーストとオレンジジュース(ガラスコップ入り)
またあるいは、山ろくの暗い森の中を歩いていると足元に花が生えている。
例1.袋状の花弁が鐘の様に下がった薄紫の花が2、3本(ホタルブクロ)
例2.鮮やかで細い花弁が大きく広がる赤い花が咲き乱れている(ガーベラ)
さあ、どちらがより『それらしく見える』だろうか?
いわずもがな、である。
(ちなみに食パンは日本独自のものなので注意)
なんとなくお察しだろうが、リアリティーを持たせるには、こういった知識がなければならない。
歴史書もいいが、より必要なのは風俗史や民俗学、植物や気候。
主人公がどんな言葉を話すのか、舞台となる国はどんな国か、他の国との関係は?
遺跡に行ったとしてもそれはいつ頃のどんな遺跡か、何のための建物だったのか。
主人公は何の服を着ているのか。
木綿か麻か毛織物か絹か。
(特に服の材質は身分がこれで大体予想される)
魔術師が本を引っ張り出してきた。
パピルスか、羊皮紙か、はたまた巻物か。
(これが現在の薄い紙に印刷された製本されたものだったらかなりウソ臭い)
女剣士が金属鎧を着ている。その下は?
布の服を着てその上に緩衝材の綿入れ胴着もしくはソフトレザーの服を着ていればまずまずだ。
素肌の上に着ていたらそれはタダの読者サービスだ。
(肌が擦れて赤くなり、跡が残るのがオチ)
ただ登場人物たちが話の本筋だけの会話をして戦って勝って終わり、では何の面白みもないし、読んでも何も感じない。
何気ない会話や、歩いている背後の風景描写の中に、それを補って余りある情報と重みがある。
それを一つの世界観に纏め上げる作業。
正直、ストーリーの本筋以上に心血を注がないと書き上げられないシロモノなのだ。
それでいてあまり書き込みすぎて説明的になってもいけない。
先ほど上にミニトマトを例に出した映画版のロードオブザリングがある。
つっこみどころはあるものも、非常にリアリティが感じられ、壮大な世界観に多くの人がのめりこんだ。
それは原作者トールキンの作った言語体系はもちろん、各国の歴史、古代の人間達の関係、神話体系、随所に現れる生活習慣、気候や環境がしっかりと描ききれているからだ。
ファンタジーだから架空の世界だからと想像だけで書いて荒唐無稽にしてはならないのだ。
さあ、世界観が出来上がったらいよいよ話の本筋と照らし合わせて行く。
起承転結と言ったが、実際は『起』の中にも小さな起承転結があり、もちろん『承』にも……といった風に、エピソードがそれぞれ並んで大きな一つの話になっていく。
主人公が『A』という答えを出したとする。
なんでAなのか?
彼の考え方はどこから来ているのか。
それは彼の人格から来ているかもしれないし、彼が歩んできた人生、あるいは暮らしてきた世界の歴史から出た答えかもしれない。
そう、話の本筋やキャラクターの会話にも、世界観はどうしても欠かせないのだ。
そしてこれらは矛盾してはならない。
これらを繋ぎ合わせ、何度も推敲し、ひどいときには大きく書き直し……やっと一つの話が完成する。
ここまで、早い人なら一日8時間換算で毎日三ヶ月、遅い人なら何年も。
ひどい人など、1作(文庫本1冊換算)に20年くらい掛かることもあるらしい。
ちなみに小説大賞はどこもだいたい文庫本1冊程度の量で、400字原稿用紙換算で350〜700枚。
さぁ、これだけの量を試しに書いてみよう。
小説を書き上げる、その労力たるや、いかに?
むしろ普通に会社で働いていたほうがはるかに楽である。
書くことはすさまじい体力と精神力(と、時間)を消耗するのだ。
これまで、さあ、何冊の資料が要っただろうか?
私の手元には各国の神話、中世の民俗学の本、服装の本、図鑑、ドイツ語やラテン語の辞典、ネットから検索して保存した大量の文章やWeb辞典のURLがある。
ちなみに全然整理し切れていない。
TVの片付けられない選手権に出られる自信がある(ぇ)。
他にもヨーロッパの建物の写真(旅行パンフが無料で大量にもらえるので便利)や絵もある。
これらを全て読みあさって蓄えておかなければいけない。
ここから知識を引っ張り出し、世界を作る際に役立てていく。
子供の頃に読み漁った図鑑や百科事典が役に立ったゼ……。
本業の有名作家の中には、資料だけのために別宅や借り倉庫、整理のためのアルバイトを雇っている人もいるくらいだ。
まかりまちがっても、紙とペンだけで作り上げられるものではない、とは言っておこう。
ちなみに。
現在、かなりの小説大賞で手書き原稿は受け付けていない。
そう、つまり紙とペンは……原稿の仕上げには使えない。
必要なのはパソコンとプリンタ、郵送用のデータ媒体と出力送付用の紙、なにより
それらをそろえられるだけの財布
が、ないと出来ない職業だということも付け加えておく……(涙)。
→ネタのタネ
自分で作ってみよう!
……本の紹介じゃないではないか(汗)。
と思った方ゴメンナサイ。
本は好きです。
幼少時の愛読書は……
1.昆虫図鑑。
もちろん虫の観察も好き、青虫はオトモダチ。素手でかわいがれるゼ。
2.鳥類図鑑。
都市部の庭でも二十種くらい。渡り鳥も来ることを発見。
3.植物図鑑。
雑草なら任せろ! 食べられる草も任せろ! もちろん毒草も任せ……(マテ)。
え?
それは読書とは言わない?
では、高校時の愛読書を……。
百科事典全巻読破。
…………。
文学作品? 哲学書? 何ですかそれは。
なんて、こんなことをやっていてもなぜか小説家を目指すようになってしまったわけで……。
もちろん素人では本は出せない。
と、思ったら大間違い。
小部数印刷なんてこともできるし、根性があれば自分で作ることも出来る。
そっち方面に抵抗がなければ同人誌なんてものもある。
最高なのは小説大賞に応募して受賞すればそのまま即デビュー&出版。
しかし、だ。
まずその前に。
作品がなければいけない。
さて、どうするか。
興味がない人に言わせれば、小説家なんて紙とペンだけあればいい楽な稼業だ、と放言される始末。
ほう、そうか、そうきたか。
言ってくれるではないか。
ならば。
小説が出来るまでをお教えしましょうか。
今回は私の得意なファンタジーで。
まず、書きたい話を決める。
ストーリー自体は好きな展開でいいとして起承転結を考える。
問題は。
ファンタジーの矛盾する魅力、つまり架空の雰囲気、そして逆にリアリティー。
このバランスだ。
いくらストーリーやキャラクターが優れていても、背景が考えていなければ薄っぺらな文章になる。
その世界、文化、歴史、言語、生活習慣、服装や食事。
これらがお互いに複雑に絡み合い、更に矛盾を感じさせないようにして一つの世界をまず構築しなければならない。
しかも、世界は一つでも、その中には多くの国や地域が存在する。
話の舞台が狭ければいいが、大体の場合複数の国や地域が出てくる。
いくらファンタジーだからといってこれらを全て空想のいわゆるファンタジックな世界にしてしまうと途端にリアリティーがなくなり、悪い意味でのファンタジー、荒唐無稽な架空の御伽噺になってしまう。
それを回避するには、実際の(つまりこの地球の)歴史をお手本に、より現実味を感じられる設定にしなければならない。
これを失敗すると、途端に雰囲気が崩れる。
たとえば……映画『ロードオブザリング』
非常に優れた映画であることは間違いない。
だが、一点、やってしまった場所がある。
執政が食事にするシーンだ。
舞台は中世ヨーロッパ風。
建物も服装も、小道具も非常によく出来ている。
中世の食事は手づかみもしくはナイフ一本。
この執政も主に手を使って食べている。
しかし。
食べている中身が問題があった。
ぷちトマト。
色彩の薄い、雑穀の粥のような乱雑に盛られたおかずの中に、ぷちトマトが非常に目立つ。
やっちまったな……。
たとえ中世ヨーロッパ的ファンタジーだとしても、これがイタリア風やスペイン風などならまだわかる。
中世にはトマトはなかったが、我々が抱くイメージとしてイタリアなどの食事にはトマトが欠かせないからだ。
しかし、この城は、山の上で海も遠い。
何が問題か?
実は、中世には、上にもさらっと書いたが(ミニ)トマトはなかったのだ。
これ、実は南米が原産で、大航海時代を経てヨーロッパにもたらされたものだ。
中世時代の食事はライ麦のパンや豆、肉がほとんどで、色彩にも乏しい。
(余談だが、韓国のキムチがやはり南米原産の唐辛子に染まったのもこの時代以降)
もし舞台が海沿いの国などであればまだ異国から入って来たものとも考えられるが、残念ながらあの舞台は主に山岳か平原。
典型的な中世ドイツ〜中欧方面である。
ここに鮮やかなトマトが彩りを放っていたら……?
といってもわかりにくいだろうか。
わかりやすく言うなら、例えば山の上に古い修道院があるとする。
修道士が食事にしている。
例1.ろうそくが数本のみの暗い食堂で、固くて丸いパンにバター、雑穀のスープ(木の皿)
例2.シャンデリアの明るい部屋で、ピザトーストとオレンジジュース(ガラスコップ入り)
またあるいは、山ろくの暗い森の中を歩いていると足元に花が生えている。
例1.袋状の花弁が鐘の様に下がった薄紫の花が2、3本(ホタルブクロ)
例2.鮮やかで細い花弁が大きく広がる赤い花が咲き乱れている(ガーベラ)
さあ、どちらがより『それらしく見える』だろうか?
いわずもがな、である。
(ちなみに食パンは日本独自のものなので注意)
なんとなくお察しだろうが、リアリティーを持たせるには、こういった知識がなければならない。
歴史書もいいが、より必要なのは風俗史や民俗学、植物や気候。
主人公がどんな言葉を話すのか、舞台となる国はどんな国か、他の国との関係は?
遺跡に行ったとしてもそれはいつ頃のどんな遺跡か、何のための建物だったのか。
主人公は何の服を着ているのか。
木綿か麻か毛織物か絹か。
(特に服の材質は身分がこれで大体予想される)
魔術師が本を引っ張り出してきた。
パピルスか、羊皮紙か、はたまた巻物か。
(これが現在の薄い紙に印刷された製本されたものだったらかなりウソ臭い)
女剣士が金属鎧を着ている。その下は?
布の服を着てその上に緩衝材の綿入れ胴着もしくはソフトレザーの服を着ていればまずまずだ。
素肌の上に着ていたらそれはタダの読者サービスだ。
(肌が擦れて赤くなり、跡が残るのがオチ)
ただ登場人物たちが話の本筋だけの会話をして戦って勝って終わり、では何の面白みもないし、読んでも何も感じない。
何気ない会話や、歩いている背後の風景描写の中に、それを補って余りある情報と重みがある。
それを一つの世界観に纏め上げる作業。
正直、ストーリーの本筋以上に心血を注がないと書き上げられないシロモノなのだ。
それでいてあまり書き込みすぎて説明的になってもいけない。
先ほど上にミニトマトを例に出した映画版のロードオブザリングがある。
つっこみどころはあるものも、非常にリアリティが感じられ、壮大な世界観に多くの人がのめりこんだ。
それは原作者トールキンの作った言語体系はもちろん、各国の歴史、古代の人間達の関係、神話体系、随所に現れる生活習慣、気候や環境がしっかりと描ききれているからだ。
ファンタジーだから架空の世界だからと想像だけで書いて荒唐無稽にしてはならないのだ。
さあ、世界観が出来上がったらいよいよ話の本筋と照らし合わせて行く。
起承転結と言ったが、実際は『起』の中にも小さな起承転結があり、もちろん『承』にも……といった風に、エピソードがそれぞれ並んで大きな一つの話になっていく。
主人公が『A』という答えを出したとする。
なんでAなのか?
彼の考え方はどこから来ているのか。
それは彼の人格から来ているかもしれないし、彼が歩んできた人生、あるいは暮らしてきた世界の歴史から出た答えかもしれない。
そう、話の本筋やキャラクターの会話にも、世界観はどうしても欠かせないのだ。
そしてこれらは矛盾してはならない。
これらを繋ぎ合わせ、何度も推敲し、ひどいときには大きく書き直し……やっと一つの話が完成する。
ここまで、早い人なら一日8時間換算で毎日三ヶ月、遅い人なら何年も。
ひどい人など、1作(文庫本1冊換算)に20年くらい掛かることもあるらしい。
ちなみに小説大賞はどこもだいたい文庫本1冊程度の量で、400字原稿用紙換算で350〜700枚。
さぁ、これだけの量を試しに書いてみよう。
小説を書き上げる、その労力たるや、いかに?
むしろ普通に会社で働いていたほうがはるかに楽である。
書くことはすさまじい体力と精神力(と、時間)を消耗するのだ。
これまで、さあ、何冊の資料が要っただろうか?
私の手元には各国の神話、中世の民俗学の本、服装の本、図鑑、ドイツ語やラテン語の辞典、ネットから検索して保存した大量の文章やWeb辞典のURLがある。
ちなみに全然整理し切れていない。
TVの片付けられない選手権に出られる自信がある(ぇ)。
他にもヨーロッパの建物の写真(旅行パンフが無料で大量にもらえるので便利)や絵もある。
これらを全て読みあさって蓄えておかなければいけない。
ここから知識を引っ張り出し、世界を作る際に役立てていく。
子供の頃に読み漁った図鑑や百科事典が役に立ったゼ……。
本業の有名作家の中には、資料だけのために別宅や借り倉庫、整理のためのアルバイトを雇っている人もいるくらいだ。
まかりまちがっても、紙とペンだけで作り上げられるものではない、とは言っておこう。
ちなみに。
現在、かなりの小説大賞で手書き原稿は受け付けていない。
そう、つまり紙とペンは……原稿の仕上げには使えない。
必要なのはパソコンとプリンタ、郵送用のデータ媒体と出力送付用の紙、なにより
それらをそろえられるだけの財布
が、ないと出来ない職業だということも付け加えておく……(涙)。
→ネタのタネ
梱包剤のアレ
ぷちぷち、といえばアレ。
ビニールの梱包剤で、空気が入った丸い点が並んでいるアレ。
アレを潰すのが趣味、と言う人もいるくらいだ。
さて。
とうとう8月になってしまったが、先月7月といえば、七夕。
仙台は確か8月になってからだったと思うが、他にも8月に七夕をするところは山あいを中心に多く見られる。
地元は7月に中心街でお祭りが行われたので、友人と行ってきた。
地元の七夕なんて、十数年ぶりである。
というわけで、久しぶりに散々歩き回った結果……。
見事に靴擦れ。
しかも両足。
両足の小指に巨大な水ぶくれが、今にも破けそうなくらいにパンパンになっている。
あまりにも見事なので、帰宅後に同居人Fに見せてみた。
すると……
なぜか目をキラキラさせるF。
F:ねぇねぇ、これ、プチプチみたいに潰れるかな?
潰したら気持ちいいだろうなー。ね?ね?
私:ちょっと待てえええええええっ!?
潰す気満々のF。
もちろん、丁重にお断りいたしました。
……なんつー親だ(涙)
ビニールの梱包剤で、空気が入った丸い点が並んでいるアレ。
アレを潰すのが趣味、と言う人もいるくらいだ。
さて。
とうとう8月になってしまったが、先月7月といえば、七夕。
仙台は確か8月になってからだったと思うが、他にも8月に七夕をするところは山あいを中心に多く見られる。
地元は7月に中心街でお祭りが行われたので、友人と行ってきた。
地元の七夕なんて、十数年ぶりである。
というわけで、久しぶりに散々歩き回った結果……。
見事に靴擦れ。
しかも両足。
両足の小指に巨大な水ぶくれが、今にも破けそうなくらいにパンパンになっている。
あまりにも見事なので、帰宅後に同居人Fに見せてみた。
すると……
なぜか目をキラキラさせるF。
F:ねぇねぇ、これ、プチプチみたいに潰れるかな?
潰したら気持ちいいだろうなー。ね?ね?
私:ちょっと待てえええええええっ!?
潰す気満々のF。
もちろん、丁重にお断りいたしました。
……なんつー親だ(涙)
我を解き放ちたまえ
最近はハリーポッターの最終巻で持ちきりのファンタジーだが、ファンタジーといっても大まかに二つ分けることが出来るといわれている。
一つは、ハイ・ファンタジー。
あの指輪物語に代表される、歴史や民族習慣、言語や神話などの体系が目に浮かぶように描写されている類の物語。
ハイ・ファンタジーというと指輪やナルニア、ゲド戦記など海外モノばかりもてはやされるが、忘れちゃならない。
実は日本こそハイ・ファンタジーの本場
なのである……。
ところでゲド戦記とグインサーガを混同している人がいるが別物である。
ゲド→作者の名前がグインで主人公は話によって変わる(一応はゲドが主人公)
グインサーガ→主人公の名前がグインで作者は日本人
エルフと言う種族をご存知だろうか?
そう、ヨーロッパの伝承に由来する妖精である。
さて、どんな姿か?
何かやたらと美形で『耳が長く尖っている』……そう、これ、実は日本がイメージの発祥地。
もはや世界レベルでエルフのこの容姿は決定してしまっているといっても過言ではない。
これ、この印象を決定付けたのが、
ロードス島戦記
日本の誇るハイファンタジーである。
読んだことがなくとも、あのナレーションはご存知の方も多いだろう。
光と闇、対極の神々の起こした戦いは
大地母神マーファと邪神カーディスによって決戦の時を迎えた
大いなる激突の果て、共に斃れた二人の女神は大陸を分断し新たなる大地を誕生させた
後の世、人はこの大地を呪われた島、ロードスを呼んだ
なお、これだけ語っておきながらアレだが、この原作小説を
実は一度も読んだことがない。
……ので、内容は紹介できない。
まぁ、大体の雰囲気は知っているが。
今回私が紹介したいのは、ハイ・ファンタジーに対してロー・ファンタジーと呼ばれる類のものである。
ローファンタジーは最近流行のライトノベルに分類される荒唐無稽な物語、つまり、一般の人が否定的意味で使う空想物語としてのファンタジーとされ、あまりその扱いはよろしくない。
だが。
ちょっと待て。
本当に良い作品と言うものは、そんな一括りの定義を越えるものである。
そしてこのローファンタジー大国もやはり日本。
有名どころではスレイヤーズやオーフェンなどだろうか?
まさしくファンタジー大国・日本。
なお、妖精を日本で例えるなら妖怪になる。
そう、つまり……我らが鬼太郎も、立派なファンタジー作品である……。
今上に挙げた二つの作品(スレイヤーズとオーフェン)は、そのハチャメチャな内容において有名だが、ストーリー自体を追ってみればとてつもなくシリアスな作品だと気付くだろう。
詳細は……
語るとキリがなく、本当に紹介したい作品まで辿り着けないので割愛。
と、散々長い前振りだが、今回紹介したい作品は……
トリニティ・ブラッド
略称トリブラ。
この原作小説である。
お察しかと思うがトリニティとは三位一体という教会用語で、この作品も教会が重要な舞台となる。
が、この作品のタイトルとしてのトリニティは、別の三つの象徴を暗示していると思われる。
ジャンルとしてはローファンタジーに分類されるように見えるが、その内容、設定の緻密さ重厚さはハイファンタジーに勝るとも劣らず。
主人公のアベル、後に出てくる妹セス、重要な鍵を握る兄カイン。
人間(短生種テラン)、吸血鬼(長生種メトセラもしくはヴァンパイア)、別の吸血鬼(クルースニク)。
世俗勢力、教会勢力、吸血鬼勢力。
教会、帝国、騎士団ローゼンクロイツ。
三つ巴のものがたくさん出てくるのだ。
一見すると頼りなさそうな主人公の神父、その上司で美しい女枢機卿カテリーナ、相棒の役回りをする勝気な少女シスター・エステル、謎の執事にて黒幕ローゼンクロイツの幹部ケンプファー。
ある駅に、冴えない巡回神父が降り立つ。
名前はアベル・ナイトロード。
すぐに彼はあるシスターと出会う。
トリブラにはエステルを中心に進む版と、騎士団の暗躍が中心にかかれる版がある。
略称でR.A.MとR.O.Mと言う、時間が数年違う二つのシリーズで、一見するとそれらは全く関係のないように見える(それぞれ独立したシリーズのように見える)。
読み進めていけば、お気楽でドジで頼りない主人公アベルが実はクルースニク種族だということがわかり、兄弟の確執、失われてしまった人への想いなどが複雑に浮かんでくる。
……とはいえ、肝心のアベルが紅茶に砂糖を13杯も投入したり顔でスライディングしたり電柱に激突したり水路に落ちたり女にたたられたりしていては、どう見てもシリアスには思えない……気がする……。
人間はもちろん人間なのだが、吸血鬼メトセラ(ヴァンパイア)は人間の血がないと生命を維持できない。
実はヴァンパイアも人間で、その血液に寄生するバクテリアこそがヴァンパイアの正体で、血液中の鉄分と酸素をこれらが奪っていく。
クルースニクもまた血液中にバクテリアを持ち、この厄介なところは、メトセラのバクテリアを捕食することだ。
つまり、クルースニクは吸血鬼の血を吸う吸血鬼。
そのクルースニクをアベルは体内に持っている。
これが彼の悲劇の始まりともいえるし、持ち続ける罪の意識、その贖罪の思いにも繋がっている。
それを煽るケンプファーの黒幕ぶりはもはや拍手ものだが、その謎めいた行動の答えは示されていない。
彼の存在自身がこの作品の大きな謎のような気もするが定かではないというか、もはや知る術がない。
ローファンタジー風の文体でありながらこのトリブラの世界観はとてつもなく暗く複雑で重厚である。
しかしそれを重く感じさせないのは作者の力量と言うほかない。
独特の挿絵ともあいまって、実に不思議な雰囲気を持つ本に仕上がっている。
ROMとRAMはそれぞれ独立したシリーズのように見えるが実は深いところで絡み合っている。
現在両方のシリーズはラスト直前、一番の盛り上がりを見せている。
だが。
もうこの続きは永遠に読むことが出来ない。
作者が亡くなってしまったからだ。
膨大な資料だけは残され、編集の方が奔走してその残りの部分が公開された。
とてつもない量、そしてラストの盛り上がり、書き始めていた最初の部分。
そして……ROMとRAMのつながり。
片方のシリーズのラスト、仕事を終えたはずのアベルの姿がない。
上司はアベルはもう次の仕事へ向かったと言う。
アベルはその時……ある駅のホームへ降り立った。
そう、もう片方のシリーズ・エステル編の冒頭、まさしくそのシーンで終わるのだ。
ここまではわかっているが、話の本筋までは、一語一句までは誰にもわからない。
最後まで読みたかった。
一番盛り上がったところで、トリブラは謎に包まれたまま終わってしまった。
と、トリブラの紹介はここまで。
実は、以前は私はあまり教会モノは好きではなかった。
教会社会が複雑すぎてワケがわからんからである。
しかも信仰心が全くない私は信仰心を語られても全く理解できない。
それが、ここまで複雑なトリブラにハマったのは前段階があった。
ある教会モノの小説に熱中したからである。
これは実は書籍化されていない。
ある方が、ホームページに掲載していた長編小説だ。
一時期は、各所のオンラインノベルのランキング上位に君臨していた。
ローファンタジーの王道とも言うべく、サクサクと読み進める文体、破天荒なキャラクター、それでいてしっかりと練られたストーリー。
このポイントが揃って、やっと私は教会モノに手が伸びた。
どう読んでもギャグにしか思えないストーリーだが、よく読めばこれは本当に信仰の物語だ。
ギャグどころかとてつもなくシリアスな話である。
ギャグにしか思えないのはきっと登場人物がアレ……主人公のようで主人公でない、主人公以上の存在感を放つ、ある鬼才の侍祭のためであろう。
この作品はかつてネット上で大評判であったし、今でももう一度全文を読みたいと思う人間が後をたたない。
私もその1人だ。
全文をダウンロードしておくんだったと後悔している。
この作品も現在全く読むことが出来ない。
ただし、その理由は祝福されるべきである。
なぜなら、
作者が小説家としてプロデビューしたため、である。
プロになるべき人が書いた作品だと思う。
ぜひこの作品を書籍化させて欲しいと願っている。
プロで積んだ経験をプラスしてもう一度リメイクしてもらえないだろうか?
頼みますよ、電撃文庫さん。
作品タイトルはあえて伏せます。
それくらい有名な作品だったし、読み応えのある作品だった。
とにかくこれ以降、教会モノにハマッてしまった。
トリブラ然り。
今もまた、何か面白い教会モノがないかなと探している。
……ちなみに私も小説家を目指している。
今回、思い切って初めて教会モノを書いて応募してみたところ……見事に落選した。
懲りずに推敲してもう一度チャレンジしてみようと思っている。
読んでみたい、という方は挙手〜(……どうやって?)

→ネタのタネ
一つは、ハイ・ファンタジー。
あの指輪物語に代表される、歴史や民族習慣、言語や神話などの体系が目に浮かぶように描写されている類の物語。
ハイ・ファンタジーというと指輪やナルニア、ゲド戦記など海外モノばかりもてはやされるが、忘れちゃならない。
実は日本こそハイ・ファンタジーの本場
なのである……。
ところでゲド戦記とグインサーガを混同している人がいるが別物である。
ゲド→作者の名前がグインで主人公は話によって変わる(一応はゲドが主人公)
グインサーガ→主人公の名前がグインで作者は日本人
エルフと言う種族をご存知だろうか?
そう、ヨーロッパの伝承に由来する妖精である。
さて、どんな姿か?
何かやたらと美形で『耳が長く尖っている』……そう、これ、実は日本がイメージの発祥地。
もはや世界レベルでエルフのこの容姿は決定してしまっているといっても過言ではない。
これ、この印象を決定付けたのが、
ロードス島戦記
日本の誇るハイファンタジーである。
読んだことがなくとも、あのナレーションはご存知の方も多いだろう。
光と闇、対極の神々の起こした戦いは
大地母神マーファと邪神カーディスによって決戦の時を迎えた
大いなる激突の果て、共に斃れた二人の女神は大陸を分断し新たなる大地を誕生させた
後の世、人はこの大地を呪われた島、ロードスを呼んだ
なお、これだけ語っておきながらアレだが、この原作小説を
実は一度も読んだことがない。
……ので、内容は紹介できない。
まぁ、大体の雰囲気は知っているが。
今回私が紹介したいのは、ハイ・ファンタジーに対してロー・ファンタジーと呼ばれる類のものである。
ローファンタジーは最近流行のライトノベルに分類される荒唐無稽な物語、つまり、一般の人が否定的意味で使う空想物語としてのファンタジーとされ、あまりその扱いはよろしくない。
だが。
ちょっと待て。
本当に良い作品と言うものは、そんな一括りの定義を越えるものである。
そしてこのローファンタジー大国もやはり日本。
有名どころではスレイヤーズやオーフェンなどだろうか?
まさしくファンタジー大国・日本。
なお、妖精を日本で例えるなら妖怪になる。
そう、つまり……我らが鬼太郎も、立派なファンタジー作品である……。
今上に挙げた二つの作品(スレイヤーズとオーフェン)は、そのハチャメチャな内容において有名だが、ストーリー自体を追ってみればとてつもなくシリアスな作品だと気付くだろう。
詳細は……
語るとキリがなく、本当に紹介したい作品まで辿り着けないので割愛。
と、散々長い前振りだが、今回紹介したい作品は……
トリニティ・ブラッド
略称トリブラ。
この原作小説である。
お察しかと思うがトリニティとは三位一体という教会用語で、この作品も教会が重要な舞台となる。
が、この作品のタイトルとしてのトリニティは、別の三つの象徴を暗示していると思われる。
ジャンルとしてはローファンタジーに分類されるように見えるが、その内容、設定の緻密さ重厚さはハイファンタジーに勝るとも劣らず。
主人公のアベル、後に出てくる妹セス、重要な鍵を握る兄カイン。
人間(短生種テラン)、吸血鬼(長生種メトセラもしくはヴァンパイア)、別の吸血鬼(クルースニク)。
世俗勢力、教会勢力、吸血鬼勢力。
教会、帝国、騎士団ローゼンクロイツ。
三つ巴のものがたくさん出てくるのだ。
一見すると頼りなさそうな主人公の神父、その上司で美しい女枢機卿カテリーナ、相棒の役回りをする勝気な少女シスター・エステル、謎の執事にて黒幕ローゼンクロイツの幹部ケンプファー。
ある駅に、冴えない巡回神父が降り立つ。
名前はアベル・ナイトロード。
すぐに彼はあるシスターと出会う。
トリブラにはエステルを中心に進む版と、騎士団の暗躍が中心にかかれる版がある。
略称でR.A.MとR.O.Mと言う、時間が数年違う二つのシリーズで、一見するとそれらは全く関係のないように見える(それぞれ独立したシリーズのように見える)。
読み進めていけば、お気楽でドジで頼りない主人公アベルが実はクルースニク種族だということがわかり、兄弟の確執、失われてしまった人への想いなどが複雑に浮かんでくる。
……とはいえ、肝心のアベルが紅茶に砂糖を13杯も投入したり顔でスライディングしたり電柱に激突したり水路に落ちたり女にたたられたりしていては、どう見てもシリアスには思えない……気がする……。
人間はもちろん人間なのだが、吸血鬼メトセラ(ヴァンパイア)は人間の血がないと生命を維持できない。
実はヴァンパイアも人間で、その血液に寄生するバクテリアこそがヴァンパイアの正体で、血液中の鉄分と酸素をこれらが奪っていく。
クルースニクもまた血液中にバクテリアを持ち、この厄介なところは、メトセラのバクテリアを捕食することだ。
つまり、クルースニクは吸血鬼の血を吸う吸血鬼。
そのクルースニクをアベルは体内に持っている。
これが彼の悲劇の始まりともいえるし、持ち続ける罪の意識、その贖罪の思いにも繋がっている。
それを煽るケンプファーの黒幕ぶりはもはや拍手ものだが、その謎めいた行動の答えは示されていない。
彼の存在自身がこの作品の大きな謎のような気もするが定かではないというか、もはや知る術がない。
ローファンタジー風の文体でありながらこのトリブラの世界観はとてつもなく暗く複雑で重厚である。
しかしそれを重く感じさせないのは作者の力量と言うほかない。
独特の挿絵ともあいまって、実に不思議な雰囲気を持つ本に仕上がっている。
ROMとRAMはそれぞれ独立したシリーズのように見えるが実は深いところで絡み合っている。
現在両方のシリーズはラスト直前、一番の盛り上がりを見せている。
だが。
もうこの続きは永遠に読むことが出来ない。
作者が亡くなってしまったからだ。
膨大な資料だけは残され、編集の方が奔走してその残りの部分が公開された。
とてつもない量、そしてラストの盛り上がり、書き始めていた最初の部分。
そして……ROMとRAMのつながり。
片方のシリーズのラスト、仕事を終えたはずのアベルの姿がない。
上司はアベルはもう次の仕事へ向かったと言う。
アベルはその時……ある駅のホームへ降り立った。
そう、もう片方のシリーズ・エステル編の冒頭、まさしくそのシーンで終わるのだ。
ここまではわかっているが、話の本筋までは、一語一句までは誰にもわからない。
最後まで読みたかった。
一番盛り上がったところで、トリブラは謎に包まれたまま終わってしまった。
と、トリブラの紹介はここまで。
実は、以前は私はあまり教会モノは好きではなかった。
教会社会が複雑すぎてワケがわからんからである。
しかも信仰心が全くない私は信仰心を語られても全く理解できない。
それが、ここまで複雑なトリブラにハマったのは前段階があった。
ある教会モノの小説に熱中したからである。
これは実は書籍化されていない。
ある方が、ホームページに掲載していた長編小説だ。
一時期は、各所のオンラインノベルのランキング上位に君臨していた。
ローファンタジーの王道とも言うべく、サクサクと読み進める文体、破天荒なキャラクター、それでいてしっかりと練られたストーリー。
このポイントが揃って、やっと私は教会モノに手が伸びた。
どう読んでもギャグにしか思えないストーリーだが、よく読めばこれは本当に信仰の物語だ。
ギャグどころかとてつもなくシリアスな話である。
ギャグにしか思えないのはきっと登場人物がアレ……主人公のようで主人公でない、主人公以上の存在感を放つ、ある鬼才の侍祭のためであろう。
この作品はかつてネット上で大評判であったし、今でももう一度全文を読みたいと思う人間が後をたたない。
私もその1人だ。
全文をダウンロードしておくんだったと後悔している。
この作品も現在全く読むことが出来ない。
ただし、その理由は祝福されるべきである。
なぜなら、
作者が小説家としてプロデビューしたため、である。
プロになるべき人が書いた作品だと思う。
ぜひこの作品を書籍化させて欲しいと願っている。
プロで積んだ経験をプラスしてもう一度リメイクしてもらえないだろうか?
頼みますよ、電撃文庫さん。
作品タイトルはあえて伏せます。
それくらい有名な作品だったし、読み応えのある作品だった。
とにかくこれ以降、教会モノにハマッてしまった。
トリブラ然り。
今もまた、何か面白い教会モノがないかなと探している。
……ちなみに私も小説家を目指している。
今回、思い切って初めて教会モノを書いて応募してみたところ……見事に落選した。
懲りずに推敲してもう一度チャレンジしてみようと思っている。
読んでみたい、という方は挙手〜(……どうやって?)
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